FROM12  加速器土木・放射線防護  8月10日 特別会議室2 15:10 - 15:30
加速器施設における耐放射線性LED照明の実証試験
Demonstration test of radiation-resistant LED lighting at accelerator facility
 
○上川 将章(関電工),白形 政司(高エ研/J-PARC),米本 和浩,泉 敬介(関電工)
○Masaaki Kamikawa (KANDENKO CO., LTD), Masashi Shirakata (KEK/J-PARC), Kazuhiro Yonemoto, Keisuke Izumi (KANDENKO CO., LTD)
 
加速器施設・核融合施設・原子炉施設等は、高放射線環境下になるエリアを有する。 このような高放射線環境下では、電気設備の多くは寿命が著しく短くなり、照明設備も例外ではない。近年、照明設備の主体となっているLED照明は、本格的な普及がここ数年(とりわけ、東日本大震災以降)であることや、半導体機器であることから耐放射線性が低く、放射線環境下での利用事例はない。 これらの環境下でも適応できる機器や材料の耐放射線性試験は、ガンマ線照射試験で評価することが一般的である。 しかし、陽子加速器施設では、ガンマ線だけでなく、陽子やπ中間子、中性子などの放射線複合環境であり、ガンマ線照射試験下とは環境が異なる。 弊社は、これまでに放射線環境における電気設備の研究開発を行ってきた。それらに加え、耐放射線性の有するLED照明やステッピングモータ等の開発・評価を行っている。 J-PARCは、運用から10年以上経過しており、この間、照明設備の省エネ化や、地球環境を保護する水銀条約が採択された。 例えば、照明設備については、水銀条約の関連で2021年以降から水銀灯の製造・販売が禁止になる。加速器トンネル内での照明設備は、水銀灯か蛍光灯であるため、水銀灯を用いた施設での運用が厳しくなり代替の照明が必要になる。 本報告では、放射線複合環境下である陽子加速器施設に、耐放射線性LED照明器具を設置している現況と実証試験の方法について報告する。