FROM10 電磁石と電源2/高周波源 8月10日 特別会議室2 14:20 - 14:40 |
ARES空洞用高周波窓可換式入力結合器の大電力試験 |
HIGH-POWER TEST OF RF INPUT COUPLER WITH A REPLACEABLE WINDOW FOR THE ARES CAVITY |
○吉野 一男,影山 達也,坂井 浩,阿部 哲郎,竹内 保直,榎本 瞬(高エネ研) |
○Kazuo Yoshino, Tatsuya Kageyama, Hiroshi Sakai, Tetsuo Abe, Yasunao Takeuchi, Shun Enomoto (KEK) |
アレス空洞用の入力カプラは同軸型で、先端に磁気結合ループを有する結合部とアルミナ円板を備えた同軸窓部が多段ロウ接合によって一体化されている。最初の金ロウでアルミナ窓の内・外周に銅金具を接合し、その後で窓の真空側表面にマルチパクタ抑制用の窒化チタン(TiN)を成膜する。最後に、磁気結合ループ等の残りの部品を銀ロウで接合する。この工程ではTiN膜に対する後工程での熱影響が避けられない。我々の一連の実験で得られた知見として:(1)成膜条件にも依るが、銀ロウ時の熱影響でTiN膜の電気抵抗が著しく低下し、高周波による異常発熱が問題となる可能性あり。(2)アルミナを現行の純度95%から高純度(99.7%)に変えた場合、現行成膜条件ではマルチパクタ放電を十分に抑制不可。以上の理由から、TiN成膜済みの同軸窓に対する後工程での熱影響を避けるため、結合部と窓部が脱着可能な新型カプラを開発した。同軸の内・外導体の連結はネジ・ボルトの軸力による方式、外導体連結部の真空封止は外縁の薄肉リップ金具を溶接する方式とした。損耗リスクの高い窓部のみを交換すれば再生可能な点も新型の利点である。本論文では、新型カプラに対する大電力試験結果に加えて、結合部と窓部の脱着試験詳細についても報告する。 |