FROL13  ハドロン加速器2  8月10日 特別会議室1 15:30 - 15:50
ミューオン電子転換過程探索実験のための8GeV遅い取り出しビーム試験
8 GeV-slow extraction test for muon to electron conversion search experiment
 
○冨澤 正人,武藤 亮太郎,木村 琢郎,柳岡 栄一,新垣 良次,村杉 茂,岡村 勝也,白壁 義久,五十嵐 進,佐藤 洋一,白形 政司,高野 淳平,森田 裕一,上窪田 紀彦,外山 毅,橋本 義徳(高エネ機構 加速器),發知 英明,田村 文彦(原子力機構),五十嵐 洋一,上野 一樹,西口 創,深尾 祥紀,藤井 祐樹,三原 智(高エネ機構 素核研),森津 学(学振)
○Masahito Tomizawa, Ryotaro Muto, Takuro Kimura, Eiichi Yanaoka, Yoshitsugu Arakaki, Shigeru Murasugi, Katsuya Okamura, Yoshihisa Shirakabe, Susumu Igarashi, Yoichi Sato, Masashi Shirakata, Junpei Takano, Yuichi Morita, Norihiko Kamikubota, Takeshi Toyama, Yoshinori Hashimoto (KEK ACCL), Hideaki Hotchi, Fumihiko Tamura (JAEA), Youichi Igarashi, Kazuki Ueno, Hajime Nishiguchi, Yuki Fukao, Yuki Fujii, Satoshi Mihara (KEK IPNS), Manabu Moritsu (JSPS)
 
J-PARCメインリング(MR)からの遅い取り出しビームを用いたミューオン電子転換過程を探索する実験(COMET)が計画されている。COMET実験では8GeVの陽子ビームを用いる。さらに陽子ビームは約1マイクロ秒間隔のパルス状の時間構造を持つ必要があり、隣り合うパルスビームの間に存在する残留ビームの比(extinction)は10-10以下が要求される。RCSでは1バンチ加速を行い、MRに4回入射し8GeVまで加速する。MRで加速されたビームはバンチ構造を保ったまま遅い取り出しによりCOMET実験施設に供給される。3 GeVから8 GeVまでという低い加速率のため、ビームサイズ縮小効果が少ない状態で遅い取り出しを行う必要がある。extinctionの改善のためにMRの入射キッカーのタイミングをずらして、空バケツに存在する残留ビームを入射後に全ロスさせる手法を取り入れた。この手法の有効性は、速い取りだしによりアボートラインに取り出された8GeVビームのextinctionの測定(2014年に実施)で確かめられている。しかしながら遅い取りだし過程におけるextinctionへの影響がどの程度あるかは大きな関心事であった。2018年初頭に実施されたビーム試験において、Phase-Iで必要な3.2 kW相当の陽子ビームの8 GeV遅い取り出しに初めて成功した。取り出されたビームのextinctionは要求された値を満たすことが確かめられた。今回のビーム試験結果で得られた成果はCOMET実験実現にむけて大きな一歩となる。