FROL11  ハドロン加速器2  8月10日 特別会議室1 14:50 - 15:10
電磁石電流によるリアルタイムベータトロンチューン補正時のJ-PARC Main Ring 遅い取り出しビーム品質の評価
Evaluation of slow-extracted beam quality with real-time betatron tune correction using magnet current at J-PARC Main Ring
 
○栗本 佳典,下川 哲司,内藤 大地,木村 琢郎,岡村 勝也,武藤 亮太郎,冨澤 正人(高エネルギー加速器研究機構)
○Yoshinori Kurimoto, Tetsushi Shimogawa, Daichi Naito, Takuro Kimura, Katsuya Okamura, Ryotaro Muto, Masahito Tomizawa (High Energy Accelerator Research Organization)
 
J-PARC Main Ring(MR)には、加速した陽子ビームを数秒かけて徐々に実験施設に取り出す、「遅い取出し」運転モードがある。その取出しビーム強度の時間的平坦性は非常に重要である。なぜなら平坦性が悪いと多数の粒子が短時間内に局在し検出器のデータ取得能力を超え実験の効率を下げるからである。J-PARC MRではベータトロンチューン(チューン)を共鳴条件に近づけビームサイズを大きくし、エミッタンスの大きい粒子から徐々に取り出す手法で遅い取出しを実現している。ここではチューンの制御が非常に重要になってくるが、主電磁石磁場に大きなリプルがあるとチューンが変動するので取出しビームに濃淡ができてしまう。一方で、チューンの直接測定はビームを意図的に振動させるため、利用運転時にフィードバック補正をすることは困難である。そこで、我々は、偏向および四極電磁石の電流からチューンの補正量をリアルタイムで計算し、それを補正四極電磁石の入力とすることでフィードフォワード的にチューンを補正する新方式を提案している。  本講演では、提案しているシステムのハードウェアの詳細および実際にシステムを用いたビーム試験の結果、特にチューン変動や取り出しビームの平坦性への効果について報告する。