FROL02  光源加速器  8月10日 特別会議室1 9:00 - 9:20
ニュースバルにおける単一サイクル自由電子レーザー原理実証実験計画
Proof-of-principle project for monocycle FELs at NewSUBARU
 
○田中 隆次,貴田 祐一郎,金城 良太(理研放射光センター),富樫 格,冨澤 宏光(高輝度光科学研究センター),橋本 智,宮本 修治(兵庫県立大高度研),田中 義人(兵庫県立大物質理学)
○Takashi Tanaka, Yuichiro Kida, Ryota Kinjo (RIKEN SPring-8 Center), Tadashi Togashi, Hiromitsu Tomizawa (JASRI), Satoshi Hashimoto, Shuji Miyamoto (University of Hyogo, LASTI), Yoshihito Tanaka (University of Hyogo, Material Science)
 
自由電子レーザー(FEL)におけるパルス長は電子ビームのバンチ長、より正確には、マイクロバンチが生成された領域(=発振領域)の長さとほぼ等しいため、電子ビームを短バンチ化することによりFELの短パルス化が可能である。しかしながら、発振領域が波長よりも短い場合、即ち、単一のマイクロバンチが生成された場合でも、パルス長は極限値である単一サイクルには到達できない。これは、電子がアンジュレータを通過する際に自身が放出した光から取り残される、いわゆる光スリッページと呼ばれる現象のためであり、単一サイクルFELを実現するためには、この効果を制御する必要がある。我々はこれまでにスリッページによるパルス伸長を抑制し、単一サイクルFELを実現するための新たな原理を提唱してきた[1,2]。また本原理の実証実験を、兵庫県立大学高度産業技術研究所がSPring-8キャンパス内で運用するニュースバル放射光施設の蓄積リングで行う計画を進めている。本講演では、単一サイクルFELの基本原理の概略と、実証実験の概要及び目的について報告する。[1] T. Tanaka, Phys. Rev. Lett. 114, 044801 (2015), [2] Y. Kida, R. Kinjo and T. Tanaka, Appl. Phys. Lett. 109, 151107 (2016)