TUP088 ビーム診断・ビーム制御 8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00 |
シングルショットBPM信号処理回路におけるバンドパスフィルタバンド幅のばらつきによる測定誤差 |
Measurement error due to bandwidth variations of bandpass filter in single-shot BPM signal processor |
○柳田 謙一,鈴木 伸介,花木 博文(公益財団法人高輝度光科学研究センター) |
○Kenichi Yanagida, Shinsuke Suzuki, Hirofumi Hanaki (Japan Synchrotron Radiation Research Institute) |
SPring-8線型加速器のシングルショットビーム位置モニタ(BPM)では、4台(若しくは6台)のバンドパスフィルタ(BPF)を使用した平行の信号処理が行われる。ビーム位置の計算にはBPF出力のピーク電圧(振幅)を用いているが、4台あるBPFのバンド幅にばらつきがある場合、ビームマクロパルス幅(長手方向時間幅)に依存して観測されるビーム位置がずれる事が2000年当時の試験結果から判明していた。ビームマクロパルス幅及びBPFバンド幅の変化によるBPF出力変化を見積もるために、BPM出力電圧(パルス波形)をフーリエ変換により周波数領域スペクトルへ変換し、BPFによりスペクトルを加工、加工後のスペクトルをフーリエ逆変換によりパルス波形へ変換するシミュレーション手法を確立し、定量的に評価した。シミュレーションの結果、BPF出力波形の振幅及び形状が実ビームによる測定によるものとほぼ一致した。また、BPFユニットの中心周波数を加速周波数(2856MHz)、円形開口BPMの開口半径を16mm、2電極でビーム位置を測定すると仮定し、2台あるBPFバンド幅がそれぞれ9.5MHz(-5%)及び10.5MHz(+5%)とした場合、ビームマクロパルス幅が1nsと1μsではビーム位置が0.4mmずれて計算される事が判明した。ビームマクロパルス幅が1nsと40nsの場合では、ビーム位置のずれは0.1mm程度となる。 |