WEOL05  加速器応用・産業利用1/加速器土木・放射線防護1  8月10日 国際会議室 11:10 - 11:30
良好な花崗岩盤中に建設されるILC加速器トンネルおよび衝突実験空洞の耐震性検討
Study on the earthquake-resistant performance of ILC tunnel and large cavern into good-quality granitic rock masses
 
○白岩 丈幸(岩手県),大山 寛夫(鹿島建設株式会社),京谷 孝史,佐貫 智行,吉岡 正和(東北大学),武内 邦文(株式会社大林組),名合 牧人(大成建設株式会社),福田 和寛(清水建設株式会社),山下 了(東京大学)
○Takeyuki Shiraiwa (Iwate Prefectural Government), Hiroo Ohyama (Kajima Corporation), Takashi Kyoya, Tomoyuki Sanuki, Masakazu Yoshioka (Tohoku University), Kunifumi Takeuchi (Obayashi Corporation), Makito Nago (Taisei Corporation), Kazuhiro Fukuda (Shimizu Corporation), Satoru Yamashita (The University of Tokyo)
 
人類の抱える根源的な謎である宇宙の創生と未来を研究する大型国際科学技術プロジェクトとして注目されている国際リニアコライダー(ILC)計画が推進中で、現在、文科省に設置されたILCに関する有識者会議でその意義、実現性、社会的影響等が議論されている。その中間まとめの中には想定される地震の規模に応じた耐震設計及びコスト検討等の対応方策を行う必要があると記載されている。 そこで、本検討では良好な花崗岩盤中に建設される予定のILC施設の加速器トンネルおよび中央の衝突実験空洞の耐震性確保に関する概略的な見通しを得ることを目的に、トンネル等地下構造物の耐震性に関する既往の知見をまとめ、そして、定量的な見通しを得るためにILC施設の候補地である北上山地を想定した動的応答耐震解析による検討を実施した。具体的には、ILC施設の耐震性検討の考え方と説明シナリオ、入力地震動の設定、ILCトンネルの地震被害の許容状態の定義、そして、加速器トンネル及び衝突実験空洞の耐震性に関する動的応答解析の条件設定を示す。その解析的検討の結果として、良好な岩盤中に建設されたILC加速器トンネル及び衝突実験空洞については、仮にかなり大きな地震に襲われた場合にも、その地下施設としての基本的な機能喪失には至らない可能性が高いと評価された。