TUP106  電磁石と電源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
SuperKEKB主リング電磁石システムの運転報告
Report of Magnet System for SuperKEKB
 
○植木 竜一,大澤 康伸,増澤 美佳(KEK)
○Ryuichi Ueki, Yasunobu Ohsawa, Mika Masuzawa (KEK)
 
SuperKEKB加速器は2016年2月に試運転(Phase I)を開始した。主リング電磁石システムはKEKB時に比べて、ウィグラー電磁石の増設、陽電子リングの偏向電磁石全数の入れ替え、衝突点両側の電磁石レイアウトの変更等大幅な改造が行われたが予定通り建設が終了した。また、これらの変更に対応して電磁石に電流を供給するための電源システムや磁石を冷却するための冷却水配管の増設も並行して行われた。SuperKEKB電磁石システムは1700台を越える水冷式電磁石、及び800台以上に及ぶ空冷式電磁石から成り立つ規模の大きなものである。このような大規模なシステムを、電源システムの立ち上げや冷却水配管作業との干渉を考慮しつつ、限られた労力で限られた時間内に立ち上げることは決して容易なことではない。幸いにもビーム運転に重大な支障となるトラブルは5月現在発生してないが、冷却水インターロックによるビームアボートは数件発生している。本発表では電磁石システムの立ち上げについてまとめると共に、運転中に発生したトラブルについてその内容、原因の推定、対策について報告する。