TUP081 ビーム診断・ビーム制御 8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
J-PARC RCSリングコリメータ故障によるビーム損失局所化への影響 |
An influence of ring-collimator malfunction on beam loss localization in the J-PARC RCS |
○吉本 政弘,竹田 修,原田 寛之,山本 風海,金正 倫計(原子力機構/J-PARCセンター) |
○Masahiro Yoshimoto, Osamu Takeda, Hiroyuki Harada, Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (JAEA/J-PARC) |
J-PARC 3GeV RCSでは世界最高レベルの1MW大強度ビームを実現するために、ビーム損失を局所化して他機器の放射化を抑制するリングコリメータシステムを設置している。RCSのリングコリメータシステムは散乱体1台と吸収体5台で構成されており、これまでのビーム調整の成果と合わせて、コリメータ部以外に大きな放射化を機器に生じさることなく500kWビーム出力までの利用運転の実績を持つことが出来た。しかし、2016年4月にリングコリメータの吸収体5で駆動部破損に伴う真空リークが発生し、取り外しての加速器運転を余儀なくされた。そこで、まず粒子トラッキング計算によりコリメータ下流部で新たなビーム損失が発生しても現状での利用運転の強度では許容可能であることを事前に確認した。次にリング全周におけるビーム損失の変化をビーム損失モニタの測定結果から問題ないことを確認して、加速器運転を再開した。今回からRCS全周にわたる残留線量の詳細分布測定を実施し、合わせて短期メンテナンスに伴うビーム停止毎に継続的に測定することで加速器運転状況に伴う線量分布の推移も調査した。この結果からより詳細なビーム損失の構造を把握することが出来た。 本発表では、リングコリメータ吸収体5を取り外したことによるビーム損失局所化への影響を報告する。また詳細な残留線量分布測定の結果からリングコリメータの調整方法に対する課題についても議論する。 |