TUP064 電子加速器 8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
cERLコミッショニング運転における軌道調整とビーム光学関数調整 |
Orbit correction and optics tuning in cERL commissioning |
○宮島 司,島田 美帆,本田 洋介,高井 良太,帯名 崇(高エネ研),永井 良治(量研機構),路川 徹也(東日技研) |
○Tsukasa Miyajima, Miho Shimada, Yosuke Honda, Ryota Takai, Takashi Obina (KEK), Ryoji Nagai (QST), Tetsuya Michikawa (e-JAPAN IT Co., Ltd.) |
cERL (compact ERL)はエネルギー回収型線形加速器(ERL)の実証機として、2013年から運転を開始し、段階的に平均ビーム電流を増加(2013年1 μA、2014年10 μA 、2015年100 μA )させるとともに、低エミッタンスを実証するための調整を行ってきた。2016年2月から3月の運転期間は、最大ビーム電流を1 mAに引き上げ、次の平均ビーム電流10 mA運転を見据えた低ビーム損失の輸送条件を実証すること、エミッタンス増大を抑制すること、バンチ圧縮を実証することを主要な目的としてビーム運転を行った。これらを実現するために、今回のビーム運転では、低エネルギー区間の軌道調整法の改良、入射器超伝導空洞内の軌道調整の改良、BPMを用いた軌道補正の導入、ビーム光学関数のマッチング箇所の追加、水平・垂直方向分散関数の補正を新たに導入した。これらの結果、以前より高い精度で設計条件に近い輸送条件を確立することができ、平均10 mA運転可能な状態までビーム損失を低減することができた。また、空間電荷効果が顕著に現れてくるピーク電流10 mA相当の運転(バンチ電荷7.7 pC)においても、以前の運転条件よりもエミッタンスを低減することができた。本発表では、新たに導入したビーム調整方法とその結果について報告する。 |