TUP049  粒子源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
レーザーイオン源用静電アナライザー電極の製作
Design of electrostatic analyzer electrodes for laser ion source
 
○山田 圭介,柏木 啓次(量研機構 高崎)
○Keisuke Yamada, Hirotsugu Kashiwagi (QST Takasaki)
 
量研機構TIARAイオン注入装置は、新機能材料創製及び半導体や光学素子の開発に使用されており、様々なイオン種の高強度イオンビームが求められる。現状では、フリーマン型イオン源を用いているが、金属や希土類元素の一部等の高融点元素は、高い蒸気圧を得ることが困難で実験に必要なビーム電流量を得ることができていない。 一方、レーザーイオン源はレーザーを固体ターゲットに集光照射することによって、あらゆる固体元素の高強度イオンビーム生成が可能である。そこで、我々はイオン注入装置用の新たなイオン源として、様々な元素の1価、2価の低価数ビームを発生するレーザーイオン源の開発を行っている。 本開発はレーザーイオン源、生成イオン電流を計測するファラデーカップ、及び価数分布を測定する静電アナライザーで構成されるテストベンチを用いて行っている。価数分布測定はプラズマを静電アナライザーに導き、電極間の電場によってプラズマ中のイオンのみを下流に通すことで行われるが、温度が低く低速なイオンの分析には既設の高温・高速プラズマ分析用の電極(軌道半径 150mm)ではプラズマからイオンのみを分離するための十分な電場が印加できない。そこで、既設チェンバーに設置可能かつ印加電圧を高くするため、軌道半径を小さくした静電アナライザー電極(軌道半径 50mm)の設計・製作を行った。本報告では、静電アナライザーの設計及び性能試験結果について報告する。