TUP045  粒子源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
二成分モデルによるCsK2Sbフォトカソードの耐久性についての研究
A Study of Robustness of CsK2Sb Photo-cathode With Two Component Model
 
○栗木 雅夫,横田 温貴,浦野 正洋,郭 磊(広島大学先端研),根岸 健太郎(岩手大学),清宮 裕史(KEK加速器)
○Masao Kuriki, Atsutaka Yokota, Masahiro Urano, Lei Guo (AdSM, Hiroshima U. ), Kentaro Negishi (Iwate U. ), Yuji Seimiya (KEK, Accelerator Lab.)
 
CsK2Sbマルチアルカリカソードは高い量子効率、緑色励起、高い耐久性などの特長を持ち、低エミッタンス大電流、すなわち高輝度電子源として有望である。広島大学では高エネルギー加速器研究機構、量子科学技術研究開発機構、名古屋大学、分子科学研究所などと共同して、マルチアルカリカソードの生成試験、その最適化などの研究を進めてきた。その結果、1500時間を超える高い1/e寿命を確認し、その高い耐久性を確認した。一方で、ビーム引き出しにともなう耐久性については、レーザー出力が限られていたことにより、時間1/e寿命による劣化に比べて有意に大きな変化を観測することができずに正確な評価に課題を残していた。今回、大強度レーザーによるビーム引き出し試験を行い、従来の時間による寿命に加えて、ビーム引き出しによる耐久性についても評価をおこなった。カソードの量子効率が時間による1/e寿命と、引き出し電荷密度による1/e寿命の二つの成分により変化するという、二成分モデルを仮定し、解析を行った。その結果について発表する。