TUP035  高周波源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
ILC用MARX電源の最適化
Optimization of the MARX generator for the international Linear Collider
 
○鈴木 隆太郎,林 拓実,佐々木 尋章,江 偉華(長岡技術科学大学),徳地 明,澤村 陽(パルスパワー技術研究所),明本 光生,中島 啓光,川村 真人(高エネルギー加速器研究機構(KEK))
○Ryutaro Suzuki, Takumi Hayashi, Hirofumi Sasaki, Jiang Weihua (Nagaoka University of Technology), Akira Tokuchi, You Sawamura (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd.), Mitsuo Akemoto, Hiromitsu Nakajima, Masato Kawamura (High Energy Accelerator Research Organization)
 
現在、世界最大の加速器ILC(International Linear Collider)が開発・研究されている。ILC用のマルチビームクライストロンには、-120kV(±0.5%),140A,1.65ms,5ppsという長パルスの電源が要求されている。さらには電源の高信頼性、小型化、軽量化、低コスト化が求められている。コンデンサやトランスのみでこの仕様を実現しようとすると、かなり大きなLやCが必要となってしまう。そこで半導体素子を用いたMARX回路にチョッパ回路と位相制御を組み合わせた、チョッパ型MARX電源が提案されている。 -1.6kV出力のマルクスセルを4段重畳して1ユニットとし出力-6.4kVを得る。最終的には20ユニットを重畳して目標値-120kVを達成する。前回の加速器学会では、基板1枚の回路効率を改善するために、フィルタRCの定数やスイッチング素子の最適化について発表した。その後、それら素子の最適値を決定し、20ユニットの製作を行い、試験を行っている。現在は、より実機に近い検証をするために、主回路用の高周波トランスの浮遊容量、筐体の浮遊容量などの出力波形に対する影響をシミュレーションおよび実測波形で確認している。そして、出力波形のリプルを最適にするための条件を理論・実験の両面から検証を行っている。今回はその検証結果について報告する。