TUP010  LLRF  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
SACLAとSPring-8蓄積リングの高周波基準信号の同期システム
Synchronization system between two master oscillators of SACLA and SPring-8 Storage Ring
 
○大島 隆,細田 直康,小林 和生,松原 伸一(高輝度光科学研究センター),前坂 比呂和(理研)
○Takashi Ohshima, Naoyasu Hosoda, Kazuo Kobayashi, Shinichi Matsubara (JASRI), Hirokazu Maesaka (RIKEN)
 
SPring-8の次期計画SPring-8-IIでは、入射ビームに低エミッタンスが要求されるため、SACLAを入射器とする予定である。この計画の準備段階として、また、消費電力抑制を目的として、XFELマシンであるSACLAを現在の蓄積リング(SR)への入射器として前倒しして使用するための準備を進めている。2つの加速器のマスターオシレータの発振周波数には入射に許される実用的な時間内に同期を取ることが可能となる適切な有理数の関係が無い為、SRから入射要求がある場合にのみ、SACLAのマスターオシレータの位相を動かしてSRと同期させる。このシステムでは、入射要求のタイミングで2つの高周波基準信号を分周した信号の位相差を検出し、SACLAのマスターオシレータにFM変調を加え、1/60秒内にビーム出射のタイミングをSRのターゲットバケットに同期させる。我々はこのシステムの原理検証装置を製作した。この装置を使ったテストでは同期タイミングのジッタは短時間の計測において8ps p-pであった。この値はSPring-8-IIでの蓄積ビームのバンチ長と同程度であり、ジッタとして許容範囲内であると考える。今後、このシステムを用いてSR入射と高いXFEL品質の維持が実現できるかどうかの確認試験などを行う予定である。