MOP117  電磁石と電源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC 3GeV RCS キッカー電磁石電源の現状
Current status of the kicker magnet power supply in J-PARC 3-GeV RCS
 
○富樫 智人,高柳 智弘,山本 風海,金正 倫計(日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター)
○Tomohito Togashi, Tomohiro Takayanagi, Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (J-PARC Center,JAEA)
 
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の 3-GeV RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、3GeVに加速した大強度陽子ビームの取り出しにサイラトロンスイッチを採用したキッカー電磁石電源システムを利用している。本システムの電源は、使用開始からおよそ10年が経過しているが、定期的な保守点検や消耗品の交換を実施する事により現在も順調な稼働を継続している。また、サイラトロンの取り扱いについては長年の経験をもとにした維持管理手法の確立により高い稼働率を維持するとともに、寿命については平均で10,000時間を超える利用が可能な状況にまで改善されている。一方、消耗品については経年的に製造中止品が増加しており、代替え品の選定が懸案となっている。また、高圧機器の絶縁と冷却に使用しているシリコーン油についても耐電圧性能の劣化が進んでいる傾向があり、性能の回復方法や入れ替え手順などの検討が必要となってきている。本報告では、これまでの運転状況並びに保守点検結果を交えながらキッカー電磁石電源の現状について報告する。