MOP116  電磁石と電源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC RCS ペイントバンプ電源の現状報告
Present status of the J-PARC RCS paint bump power supply
 
○植野 智晶,高柳 智弘,堀野 光喜(日本原子力研究開発機構 J−PARCセンター),飛田 教光(日本アドバンストテクノロジー株式会社),山本 風海,金正 倫計(日本原子力研究開発機構 J−PARCセンター)
○Tomoaki Ueno, Tomohiro Takayanagi, Koki Horino (J-PARC / JAEA), Norimitsu Tobita (NAT), Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (J-PARC / JAEA)
 
J-PARCの3-GeVシンクロトン加速器(RCS)の入射バンプシステムのうち、水平・垂直のペイントバンプ電磁石は、Linacからの入射ビーム(H-)とRCSの周回ビーム(H+)を合流させ、大強度の陽子ビームを生成する重要な機器の一つである。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)スイッチのアセンブリを多段多重の並列回路で構成し、スイッチング周波数648kHzで運転する。そして、出力電圧が定格の1.2kV以下であれば、出力電流の波形パターン形状を定格の±1%以下の精度で任意に形成して出力することを実現している。しかし、出力電流値のパルスショットごとの変化(フラツキ)が、±1%以上になる場合がある。出力電流値の変動1%は、ビーム軌道の変位量約1mmに相当するため、RCSの所期性能である1MW大強度ビーム運転時には、ビームロス増加の要因となる。そこで、電源の入力パターンである電流・電圧の指令値の生成クロックと、電源を構成するIGBTスイッチ全ての動作クロックを同期化する基板を製作し、ショット毎のフラツキに関する入力パターンのタイミングのズレと同期化の効果について調査試験を行った。本発表では、同期化システムの詳細、試験結果、その他、実機で生じている現在の問題について報告する。