MOP108  真空  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
SAGA-LS蓄積リング真空ダクトの更新と到達真空度の調査
Vacuum condition of the beam duct after the replacement for installing the superconducting wiggler at SAGA-LS
 
○金安 達夫,高林 雄一,岩崎 能尊,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Tatsuo Kaneyasu, Yuichi Takabayashi, Yoshitaka Iwasaki, Shigeru Koda (SAGA-LS)
 
放射光施設SAGA Light Source (SAGA-LS)ではピーク磁場4 Tのハイブリッド3極型超伝導ウィグラーを2010年度から運用している.2015年の夏期シャットダウン中には住友電工ビームラインの光源として二台目の超伝導ウィグラー(LS5W)が設置された.ウィグラー二号機の設置準備として,2014年度末に蓄積リングのウィグラー用直線部および下流四極と偏向電磁石部の真空ダクトを更新した.真空ダクトの光焼き出しによるビーム寿命の改善傾向は一号機と二号機で良く一致しており,ダクト製作・設置から真空立ち上げに至るまで大きな問題はなかった.また両者ともビームドーズ1000 mA-h程度でユーザー運転に必要な300 mA蓄積が可能となった.しかしながらビーム寿命への影響は殆どないものの,直線部真空ダクトの圧力測定値が一号機のケースと比べて一桁高い状態が継続しており原因調査に取り組んだ.四重極質量分析器による残留ガス分析,制動放射ガンマ線の線量測定や環境磁場の影響調査を行い,直線部ダクトで発生した光電子が真空計による圧力測定に影響を及ぼすことが判明した.発表では各種調査の結果を報告し,ウィグラー一号機と二号機のケースで真空度の測定値に差異が生じた要因を検討する