SUP111  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
2結晶型パラメトリックX線源におけるダイヤモンド単結晶の試験
TEST OF DIAMOND SINGLE CRYSTALS IN THE PARAMETRIC X-RAY SOURCE BASED ON A DOUBLE-CRYSTAL SYSTEM
 
○早川 恭史(日大LEBRA),雫石 崇,石橋 直也(日本大学医学部),早川 建,稲垣 学,中尾 圭佐,野上 杏子,境 武志(日大LEBRA),佐藤 勇(日大ARISH),田中 俊成(日大LEBRA)
○Yasushi Hayakawa (LEBRA, Nihon University), Takashi Shizukuishi, Naoya Ishibashi (Nihon University School of Medicine), Ken Hayakawa, Manabu Inagaki, Kesuke Nakao, Kyoko Nogami, Takeshi Sakai (LEBRA, Nihon University), Isamu Sato (ARISH, Nihon University), Toshinari Tanaka (LEBRA, Nihon University)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)ではパラメトリックX線放射(PXR)を放射原理とするエネルギー可変X線源を運用いているが、その放射源としてシリコン完全結晶を採用している。将来的の医療応用を考えると、30keV以上のX線が必要となるが、それには格子定数の小さなダイヤモンド結晶の利用が有利であると予想される。得られるX線の空間コヒーレンスを考えると単結晶が望ましいが、幸い人工のダイヤモンド単結晶が比較的安価に入手できるようになった。そこでLEBRAのPXR線源においてダイヤモンド結晶を放射源に用いる試験を100MeVの電子ビームを用いて行った。2結晶型のPXR線源であるため、第2結晶サイズの制約のために結晶面としてはC(400)を用いることにした。 結果としては、30keV以上の領域でダイヤモンド結晶から発生したPXRビームを用いて吸収コントラスト像が得られた。シリコン結晶に比べると結晶の完全性が劣るため、X線の照射野は不均一であった。特筆すべき結果として、結晶の質の良い部分の寄与による照射野に限られるものの、40keV以上で伝搬型位相コントラストの効果と思われる軽元素物質試料のビジビリティ向上が観測された。また、検出器の性能の問題はあったが、60keVでの画像取得にも成功した。 問題点として、電子ビーム照射によって結晶のひび割れやカラーセンターの形成に伴う変色が発生した。特にひび割れについては防止策を検討していく必要がある。