SUP109  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
小型・高輝度マイクロトロンの産業利用
Industrial use of small and brilliant microtron
 
○長谷川 大祐(株式会社光子発生技術研究所),山田 廣成(立命館大学),山田 貴典,前尾 修司,林 太一,齋藤 昇吾(株式会社光子発生技術研究所)
○Daisuke Hasegawa (Photon Production Lab., Ltd.), Hironari Yamada (Ritsumeikan university), Takanori Yamada, Shuji Maeo, Taichi Hayashi, Shogo Saitou (Photon Production Lab., Ltd.)
 
光子研では卓上型放射光発生装置「みらくる」を開発し様々なX線利用を展開している。「みらくる」の入射器に用いているマイクロトロン電子加速器もまた独自に開発し、小型化・高輝度化に成功している。我々のマイクロトロンは電子銃を加速空洞に内蔵したKapitza型で、1〜4MeVの装置でビーム電流300mAと高輝度を実現している。また、電子を磁場中で加速するため、他の加速器に比べエネルギー分散が2%以下に抑えられる。そのため、サブミリの焦点サイズを達成しており、単純撮影による非破壊検査やコーンビームによる重構造物のCT検査、滅菌・殺菌向けEB照射装置といった産業分野への利用、より小型で高輝度な電子銃への応用がある。 産業利用として、重構造物のサブミリでの非破壊検査に需要がでてきた。マイクロトロンとパーキンエルマのフラットパネルを用いたCT検査システムを構築し、産業界への導入を進めている。自動車会社からの依頼で、アルミダイキャスト製のエンジンやその他の部品の巣の検査やハイブリッド車のモータコイルを受託で検査している。コーンビームCTで撮影するため、エンジンなどの構造物全体を5分で撮影でき、リバースエンジニアリングに役立っている。 コンクリートの非破壊検査では、1MeV以下のマイクロトロンを屋外へ持ち出し、60cm厚のコンクリートサンプルをわずか5分で明瞭に検査出来ることを示した。