SUP104  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
真空チェンバー一体型多極電磁石の検討
R & D of a vacuum chamber integrated multipole magnet
 
○岡安 雄一,深見 健司(JASRI)
○Yuichi Okayasu, Kenji Fukami (JASRI)
 
SPring-8 蓄積リングの水平方向エミッタンスを X 線領域における回析限界まで減少させる、高度化検討のためのオプションの一つとして、多極電磁石の狭ボア径 (φ26 mm 程度) 化が挙げられる。多極電磁石に超高真空対応の真空チェンバー (例としてアンテ型ストレートチェンバー) を挟み込むことを検討した場合、強度・抵抗壁インピーダンス等を勘案した結果、汎用真空チェンバー部材を採用する限りでは構造的に限界を迎える。この問題を回避する処方箋の一つとして、我々は肉厚の真空チェンバーに直接磁極を埋め込む、真空チェンバー一体型多極電磁石の開発を行なっている。簡単な例として、四極電磁石 1 台に真空チェンバーを埋め込んだ試作機を 2013 年 3 月に製作した。  本学会では、この試作機の構造説明に加え、試作機を用いて 1) 実際の超高真空チェンバーを想定したベーキング処理を行い、チェンバー・磁極からのアウトガス量・分圧等の真空特性測定・評価、2) チェンバー・電磁石を組み立て・解体を複数回行った場合の磁極座標の再現性評価、3) 磁場測定・組み立て誤差を勘案した磁場勾配への影響評価、を行ったので結果を報告する。また、実機のアライメント方法についての考察も併せて議論する。