SUP083  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
仮想化PC環境を用いた加速器制御オペレータコンソール
The operator console for accelerator control systems on a virtual machine.
 
○中尾 圭佐,境 武志,早川 建(日大)
○Keisuke Nakao, Takeshi Sakai, Ken Hayakawa (LEBRA)
 
 日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)の125MeV linacはPCベースの制御システムを採用している。 加速器のオペレーターコンソール及び、偏向電磁石、FEL共振器ミラー等、多くのコンポーネントがPCを介して制御されている。市販のPCは、価格は安いが信頼性が低く、数年に1度は故障し、時には利用実験に支障をきたすこともあり、懸案となっている。更新作業で最も時間がかかるのが、ハードウェアの構成が変わることによる環境の再構築作業であるが、PCのチップセットやCPU、周辺機器類の進化は日進月歩で、故障時に更新時と同じ構成のパーツを購入することは難しい。 近年、CPUのマルチコア化、メモリの高速化、低価格化により、PC上でPCをエミュレーションする仮想化技術が一般的になっている。このような仮想化されたPCは、標準的なネットワークカードとストレージで構成されており、仮想マシンから見えるハードウェアの実態はソフトウェアであるために、実行環境の変化を小さく抑えることができる。また、仮想化されたストレージの実態は、ファイルなので、環境構築時のストレージファイルをバックアップしておけば、短時間でシステムを復旧させることができる。 本発表では、仮想環境下における加速器およびコンポーネントのオペレーターコンソールを仮想化することによる利点、問題点を議論する。