SUP053 ポスターセッション2 8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00 |
J-PARCリニアック クライストロン高圧電源停止頻度の改善 |
Improvement for the Trip Rate of Klystron High-Voltage Power Supplies in J-PARC Linac |
○堀 利彦,佐藤 文明,篠崎 信一,千代 悦司,小栗 英知(J-PARCセンター、JAEA),二ツ川 健太,福井 祐治(J-PARCセンター、KEK) |
○Toshihiko Hori, Fumiaki Sato, Shinichi Shinozaki, Etsuji Chishiro, Hidetomo Oguri (J-PARC Center, JAEA), Kenta Futatugawa, Yuji Fukui (J-PARC Center, KEK) |
J-PARCリニアックでは2012年の夏メンテナンス以降のビーム利用運転にて、クライストロン電源の特定号機で高圧停止頻度が高くなり、加速器の稼働率を低下させていた。高圧停止時の各部波形を観測したところ、アノード電位短絡が原因の停止が多数モニタされた。この現象は主に、パルス繰返し数:25ppsのビーム加速時以外のタイミングで発生しているため本来、電源は停止しない。そこでこの現象は1次的要因であると考え2次的要因を調査した結果、トリガー分配用のNIMモジュールがアノード短絡時に生じる電磁・輻射ノイズ等によって誤動作していることがわかった。このモジュールは全系タイミングシステムからアノード変調タイミングパルスを受信し、変調器内の半導体スイッチON-OFFトリガー並びに、アナログ波形サンプルホールド回路の基準トリガーを出力するものである。誤動作対策として、モジュール基板のアースライン強化、入出力にローパスフィルタ挿入などの改良を現在継続中である。これらに加え、アノード短絡箇所を特定するためのクライストロン(DTL#2号機用)交換作業を2013年2月に実施した。結果、短絡箇所はクライストロン電子銃部のアノード−ボディ間で生じていることが判明し、従来考えられていた変調器側ではないことも確認した。取り外したクライストロンはテストステーションで稼働しており、短絡現象の再現性や短絡回数の低減に向けた調査を継続中である。 |