SUP037  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
透過光型スピン偏極電子源の時間応答性評価
Measurement of temporal response of transmission-type spin-polarized photocathodes
 
○稲垣 利樹,梶浦 陽平(名大),許斐 太郎(分子科学研究所 極端紫外光施設),岡野 泰彬(分子科学研究所 分子制御レーザー開発研究センター),阿達 正浩(高エネルギー加速器研究機構),山本 尚人(名大 シンクロトロン光研究センター),金 秀光(名古屋大学 高等研究院),保坂 将人,高嶋 圭史(名大 シンクロトロン光研究センター),加藤 政博(分子科学研究所 極端紫外光施設)
○Toshiki Inagaki, Youhei Kajiura (Nagoya University), Taro Konomi (UVSOR), Yasuaki Okano (Laser Research Center for Molecular Science), Masahiro Adachi (KEK), Naoto Yamamoto (NUSR), Xiuguang Jin (Nagoya University), Masato Hosaka, Yoshifumi Takashima (NUSR), Masahiro Katou (UVSOR)
 
スピン偏極電子ビームは次世代の高エネルギー素粒子実験「国際リニアコライダー」 を実現するための必須要素とされている。このスピン偏極電子源開発において名古屋大学では90%を超えるスピン偏極度と0.5%の量子効率を同時に達成している。 近年、我々は歪み補償型の超格子フォトカソードによりスピン偏極度を維持したまま膜厚を数倍に増加させる事に成功している。膜厚の増加は量子効率の向上に非常に有効であるが、デメリットとしてパルス応答性を劣化させる可能性がある。我々は歪み補償型超格子フォトカソードを用いて量子効率を現状の数倍に向上させることを計画しているが、そのためにはパルス応答性の評価が不可欠である。 このため、我々は20kV電子源を用いたパルス応答性測定システムを開発した。本システムでは、レーザーパルスと同期したRF偏向空胴(共振周波数2612.9MHz)を用いて電子ビームを進行方向に対し垂直に蹴ることによって縦方向の情報を横方向に投影し、その後ナイフエッジ法を用いて投影されたビームサイズの測定を行い、励起レーザーに対する時間応答を評価する。 本発表では、透過光型偏極電子源の優れた性能を紹介すると共に、本研究において開発したシステムの詳細と活性層厚みの異なるカソードを用いた時間応答性測定結果について報告する。