SUP026 ポスターセッション2 8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00 |
複合周期アンジュレータ磁気回路の試作と評価 |
Evaluation of test magnets for composite period undulator |
○黒田 聡浩(兵庫県立大),鏡畑 暁裕,清家 隆光(高輝度光科学研究センター),北村 英男,田中 隆次(理研放射光センター) |
○Akihiro Kuroda (University of Hyogo), Akihiro Kagamihata, Takamitsu Seike (JASRI), Hideo Kitamura, Takashi Tanaka (RIKEN) |
SPring-8などの放射光施設で使用されるアンジュレータと呼ばれる装置の磁気回路では、ある周期長で周期的磁場を発生するために、隣接する永久磁石ブロックの磁化角度が90度だけ回転し、かつ4個の永久磁石ブロックで1周期を形成する磁石列を電子ビーム軸の上下に配置する。アンジュレータから発生する光の波長は周期磁場の振幅と周期長に依存するため、これらを適切に選択することにより、所望の波長を得ることができる。振幅は上下磁石列の間隔を変えることによって調整可能である一方、周期長は通常ある値に固定され、このことが光の波長の利用可能範囲を制限する。 そこで、アンジュレータ光の波長範囲を広げるため、各磁石列を構成する永久磁石ブロックの磁化角度あるいは配列・寸法に変更を加えることにより、倍の周期をもつ周期磁場の発生を可能にする特殊な磁気回路(複合周期アンジュレータ)が提案された。さらにその応用例として、任意の偏光状態を生成可能な新型アンジュレータが考案された。 本研究では、磁化ベクトルを30度傾けた永久磁石ブロックを含む複合周期アンジュレータ磁気回路を試作し、基本周期と倍周期の各モードに設定した状態で磁場分布を測定することにより、その原理について検証した。また、得られた磁場データを光源計算ソフトSPECTRAにより解析し、期待される光特性について調べた。学会ではこれらの測定並びに解析の結果について報告する。 |