SUP021  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
SPring-8次期計画における3.5倍高調波空胴によるバンチ伸長シミュレーション
Simulation on bunch lengthening with 3.5 harmonic cavity for SPring-8-II plan
 
○藤田 貴弘,恵郷 博文,中村 剛,持箸 晃((公財)高輝度光科学研究センター)
○Takahiro Fujita, Hiroyasu Ego, Takeshi Nakamura, Akira Mochihashi (JASRI/SPring-8)
 
SPring-8次期計画は極低エミッタンスリングであるため、バンチ内の電子電子散乱によるエミッタンス増大やビーム寿命の低下を避ける目的で、超伝導高調波空洞を導入してポテンシャルを歪ませ、バンチ長をそのゼロ電流極限(自然バンチ長)の4倍以上に伸長させる。こういった長いバンチ長を実現するには、基本波と高調波の電圧と位相をある一定の関係にする必要があるが、バンチの蓄積形態(フィリングパターン)によって高調波はもちろん、基本波の空洞電圧がリング1周にわたって変調されるために基本波と高調波の電圧と位相の関係がバンチ毎に異なり、十分なバンチ長のバンチとそうでないバンチが存在することになってしまう。以上の現象について、SPring-8次期計画のパラメータを用いてトラッキング計算を行った。結果、対称性の高いフィリングにおいてはおおよそ必要最低限のバンチ長まで伸長できることを確認した。また、高調波のみならず、基本波も超伝導空洞にすることでわずかに改善することが分かった。発表では、以上に述べたトラッキング計算の概要と結果について報告する。