SUOT05  ハドロン加速器2  8月4日 豊田講堂ホール 11:30 - 11:50
原子力機構TIARAにおける多重極電磁石を用いた大面積重イオン均一ビームの形成
Formation of large-area heavy-ion uniform beams using multipole magnets in TIARA, JAEA
 
○百合 庸介,湯山 貴裕,石坂 知久,吉田 健一,石堀 郁夫,奥村 進(原子力機構高崎研)
○Yosuke Yuri, Takahiro Yuyama, Tomohisa Ishizaka, Ken-ichi Yoshida, Ikuo Ishibori, Susumu Okumura (Takasaki, JAEA)
 
原子力機構高崎研のイオン照射施設TIARAでは、イオンビーム利用研究に資するため、AVFサイクロトロンにおける重イオンの新たな大面積均一照射法として多重極電磁石を用いた横方向ビーム強度分布の均一化に関する研究開発を進めてきた。本手法は、8極電磁石等のつくる非線形集束力によりガウス型強度分布の裾野を内側へ折り畳むことで均一な強度分布を形成するもので、照射野全体を同時に均一照射できるという特長を持つ。サイクロトロンから引き出されるビームは複雑な強度分布を有するが、薄膜の多重クーロン散乱効果を利用し、均一ビーム形成の前提として必要となるビーム強度分布のガウス様分布化を実現した。また、大面積ビームの面積や均一度の評価のため、ラジオクロミックフィルムのイオン照射応答を明らかにした。核子あたり数〜10数MeVのアルゴンイオンビームにおいて、大面積の均一ビームを形成することに成功した。このようなビームは、超低フルエンスの効率的な均一照射を必要とするイオン穿孔膜の創製に関する研究等に利用される予定である。