SAP077 ポスターセッション1 8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00 |
サーモグラフィックカメラと薄膜を用いたビームプロファイル診断アルゴリズムの開発 |
A beam-profile diagnosis algorithm using a thin foil and a thermographic camera |
○片桐 健,北條 悟,中尾 政夫,野田 章,野田 耕司(放射線医学総合研究所) |
○Ken Katagiri, Satoru Hojo, Masao Nakao, Akira Noda, Koji Noda (NIRS) |
サイクロトロン等の大強度加速器を備えたRI製造を行う照射システムでは,ターゲットの健全性を保つ為にビームプロファイルの診断が重要となる.そのための簡易な方法として,サーモグラフィックカメラによって得られるターゲットの温度分布情報を用いることが提案されている[1].この方法のさらなる高精度化を目指して,ビームの通過により加熱された薄膜の温度分布から,ビーム電流分布を導出するアルゴリズムを開発した. このビーム電流分布導出アルゴリズムの信頼性を確かめるために,数値解析を行った.サーモグラフィックカメラによって得られる照射薄膜の温度画像を数値計算により模擬した.また,サーモグラフィックカメラのイメージセンサーによって画像に加えられるノイズがビームプロファイルの導出精度に及ぼす影響を調べるために,そのノイズも温度画像上に模擬した.この模擬温度画像から,開発したアルゴリズムを用いてビーム電流分布を導出し,その結果を厳密解と比較した.この比較から,ΔTNETD = 0.3 K (NETD: Noise Equivalent Temperature Difference)程度の大きいノイズを持つ汎用サーモグラフィックカメラを用いた場合でも,~0.1−10 μAの広いビーム電流域でビームプロファイルの診断が可能であることが確認された.本発表ではこれら解析結果の詳細について発表する. [1] M. Takada, S. Kamada, et al., Nucl. Instrum. Meth. A 689, 22 (2012). |