SAP075 ポスターセッション1 8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00 |
高圧電源と低圧電源のハイブリット制御による高電圧、低リプル電磁石電源 |
Hybrid Control of Low and High Voltage Power Supplies for High Voltage and Low Ripple Magnet Power Supply |
○栗本 佳典,森田 裕一,下川 哲司,内藤 富士雄,中村 衆,岡村 勝也(高エネルギー加速器研究機構) |
○Yoshinori Kurimoto, Yuichi Morita, Tetsushi Shimogawa, Fujio Naito, Shu Nakamura, Katsuya Okamura (KEK) |
J-PARC 主リングではさらなる大強度陽子ビームを達成するため、サイクル周期を2.5sから1sに縮める事を計画している。そのためには、3kV~4kVの高電圧出力電源への置き換えが必要不可欠である。一方で、MRでは遅い取出しモードでの運転も行われるため、取出し電流値での低リップル(~10-6)も同時に要求される。 しかしながら、3kV~4kVの高電圧出力電源に使われる半導体素子は、通常大きなスイッチング損失のためスイッチング周波数を大きくできない(500Hz〜1kHz)。そのため、出力のスイッチング成分がフィルタで十分に除去されず、遅い取出しモードでは許容できない電流リプルとなって現れる。 この困難を解決するために、スイッチング周波数を大きくできる低圧電源を高電圧電源に直列に接続し、高圧電源では誘導負荷成分のみを、低圧電源で抵抗負荷成分をそれぞれドライブするような制御法を用いる事を検討している。これにより、遅い取出しの直流期間では高圧電源は還流モード(V=LdI/dt = 0)となりスイッチング動作を行わず、高速の低圧電源のみがスイッチングする為、出力電流リプルは大幅に小さくできる。実際に抵抗負荷成分のみであれば、MR主電磁石電源の出力は1 kV程度でよいため、比較的高速(数kHz)な半導体素子も視野に入ってくる。 本講演では、上記の高圧電源と低圧電源のハイブリット運転の詳細について発表する。 |