SAP043  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
SPring-8線型加速器の新型電子銃カソードの試作試験
R&D of the gun cathode for the SPring-8 Linac
 
○鈴木 伸介,谷内 努,小林 利明,花木 博文((公財)高輝度光科学研究センター)
○Shinsuke Suzuki, Tsutomu Taniuchi, Toshiaki Kobayashi, Hirofumi Hanaki (JASRI)
 
SPring-8でのTop-up運転において短寿命のフィリングパターンの運転が導入され、より大きな入射電流の要求が高まっている。またフォールト時のクライストロン電源の自動切り替えの際にオプティクスの変更を行わないためLinacからの出射電流は多少減少することが多い。これらに対応するために大きな改造を伴わない電流増強案として電子銃からの電流を増やすことを目的として試作、試験を行っている。  現在は直径8mmのCPI/EIMAC社Y845カソードを用いて1nsのパルス幅でピーク6Aの電子ビームを得ている。このときのアノード電圧180kV、バイアス電圧60V、グリッド電圧300Vである。今回試作した電子銃カソードはカソードの直径を10mmに拡げ、また径0.4mmのディンプル構造を敷き詰めた配置とし、グリッド穴とアライメントを取ることにより引き出し効率を上げて電流の増強を図る。  現在まで試作の第1号において70kVのアノード電圧を持つテストベンチで1kVのグリッドパルサーを用いることにより最大12Aの引き出し電流を得ることに成功している。本発表においてそのビームシミュレーション、構造、試験について発表する予定である。