SAP028 ポスターセッション1 8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00 |
高強度コヒーレント放射による吸収分光 |
Absorption spectroscopy by using the high-intensity coherent radiation |
○斉藤 秀輝,奥田 修一(阪府大),高橋 俊晴(京大) |
○Hideki Saito, Shuichi Okuda (Osaka Prefecture Univ.), Toshiharu Takahashi (Kyoto Univ.) |
高エネルギー電子バンチからのコヒーレント放射は、極めて高いパルス強度が特徴である。特に単一極の電場(半サイクル光)は、物質中にパルス電場を与えて、コヒーレントでブロードバンドという特徴ある光によって電子や極性分子の挙動制御が可能になると考えられる。本研究では、京大炉Lバンド電子ライナックのエネルギー37 MeVの電子ビームによるコヒーレント遷移放射光源を利用して、数種の試料に対してミリ波領域で吸収分光を行い、光の透過スペクトルを測定し、光強度の影響について調べた。シリカナノ粒子を、厚さ3 mmの無水石英板で挟んで厚さ5 mmとした試料の、光の透過率の波数依存性を調べた。光強度を1桁変えると、数%の透過率の変化が観測された。これは、入射光により微粒子内に何らかの変化が誘起されたことを示唆する。半サイクル光による効果の可能性については明らかでない。このような現象は、他の試料についても認められた。光の強度の効果について調べるために、時間分解による過渡現象の測定が必要である。大阪府大16 MeV Sバンド電子ライナックを用いて、時間分解でこの現象を解析する測定系を開発した。 |