SAP011  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
ニュースバルにおける六極電磁石追加によるビーム寿命改善
Improvement of beam lifetime by additional sextupole families at NewSUBARU
 
○皆川 康幸,竹村 育浩(高輝度光科学研究センター),庄司 善彦(兵庫県立大高度研)
○Yasuyuki Minagawa, Yasuhiro Takemura (JASRI), Yoshihiko Shoji (LASTI, Univ. of Hyogo)
 
NewSUBARUでTopUp運転の蓄積電流値を決めているのは、1シフトの入射電荷量に対する放射線安全上の制限であり、入射効率とビーム寿命の改善が蓄積電流値の増加に繋がる。入射効率については、Q-scanによる入射マッチング等を行う事で改善はなされており、ID gap openで入射効率95%、closeで80%を達成している。  高い蓄積電流での安定したTopUp運転を維持する為には、ロングアンジュレータ(LU) 稼働によるビーム寿命の短縮と、入射効率の劣化の改善が必要になっている。このためにdispersion free sectionに設置した六極電磁石によってダイナミックアパーチャを改善してビーム寿命を増加させることを試みる。  これまで長直線部と短直線部で同じ六極電磁石ファミリーS1で調整を行っていたが、長直線部の六極電磁石を別電源として(S3)、個々に調整する事でビーム寿命の改善が得られた。  更にLUによるβ関数の歪みに対応するように、S3を2ファミリーに分けると、LU稼働による寿命劣化が小さくなった。  また短直線部には、βyが大きい位置のS1とβxが大きい位置のS2があるが、長直線部にはS2に相当する電磁石がなかった。そこで、新たに長直線部に多機能電磁石を設置し、その6極コイル(S4)を使ったビーム寿命の改善を試みている。  ビーム寿命が伸びた事で300mAのTopUp運転を定常的に行えるようになった。