SAOTP3  合同セッション  8月3日 豊田講堂ホール 11:10 - 11:40
SAGA-HIMATプロジェクト及びそのビーム試験
Beam Test of SAGA-HIMAT
 
○金澤 光隆,遠藤 真広,日向 猛,綱島 義一,佐藤 弘史,新開 英秀,工藤 祥,塩山 善之,北村 信,十時 忠秀(SAGA−HIMAT),永澤 勇一(三菱電機)
○Mitsutaka Kanazawa, Masahiro Endo, Takeshi Himukai, Yoshikazu Tsunashima, Hiroshi Sato, Eishu Shinkai, Sho Kudo, Yoshiyuki Shioyama, Makoto Kitamura, Tadahide Totoki (SAGA-HIMAT), Yuichi Nagasawa (Mitsubishi Electric Corporation)
 
現在、佐賀県鳥栖市において、重粒子線がん治療のため、九州国際重粒子線がん治療センター(SAGA-HIMAT)でのビーム試験が行われている。この施設でのビーム試験は2012年12月中旬にスタートした。まず最初にRFQ及びIH型線形加速器でのビーム加速調整を行い、目標の加速効率であるRFQとIHをあわせて約80%の達成を年内に確認できた。2013年に入ってからはシンクロトロンでのビーム調整を本格化させた。その結果、シンクロトロンからの取りだしビーム強度が目標である10E9pps(3秒周期で)を超え、効率は90%以上に調整出来ている事を確認出来た。この施設の加速器の基本設計は群馬大学の加速器と同様であるが、いくつかの点で工夫をしている。1.シンクロトロンでのビーム加速制御に磁場変化を検出したBクロックでは無く、時間のクロックを利用するようにした。2.フラットトップ磁場が一定になるようにシンクロトロン偏向電磁石に補正コイルを取り付けた。3.取り出されたビームがスピル内で位置変動するのを止める為に設置したパターン運転出来るステアリングマグネットを輸送系内に設置した。4.治療照射運転中に自動運転を可能にする為の制御系改善があげられる。本講演ではこのプロジェクトの現状について述べると共に、ビーム調整の結果についても述べる。