SAOT12  光源加速器1  8月3日 豊田講堂ホール 19:00 - 19:20
Knot-APPLEアンジュレータの概念設計
Conceptual design of Knot-APPLE undulator
 
○佐々木 茂美(広大放射光センター)
○Shigemi Sasaki (Hiroshima Synchrotron Radiation Center)
 
中高エネルギーの放射光源リングで真空紫外線域や軟X線域の高輝度放射光を発生するためには、周期長の長いアンジュレータをK値が非常に大きい状態で用いなければならない。その場合、特に直線偏光アンジュレータでは不要な高次光の放射パワーがビーム軸上に集中し、光学素子への過重な熱負荷が深刻な問題となる。この、軸上の熱負荷を軽減するためにFigure-8アンジュレータが提唱されいくつかの放射光施設で利用に供されている。また、同様の目的のためにPera、Leaf、Knotアンジュレータ等のアイデアが提唱されているが、Figure-8と同じく円偏光の発生はできず、かつ構造も複雑であるためか実現には至っていない。他方、APPLE型アンジュレータは、左右円偏光、水平・垂直直線偏光、斜め直線偏光等、全ての偏光状態を発生できるが、直線偏光時の軸上パワーの問題は残っている。上記全ての問題を解決すべく、我々は偏光可変かつ全ての偏光モードで軸上の放射パワーを低減できるKnot-APPLEアンジュレータを提唱する。発表では、現実的な磁石構造と発生する放射のスペクトル、偏光特性、パワー分布について議論する。