SAOT08  光源加速器1  8月3日 豊田講堂ホール 17:40 - 18:00
アト秒かつテラワットレベルのXFELパルスを生成する新手法の提案
A new scheme to generate a multi-terawatt and attosecond XFEL pulse
 
○田中 隆次(理研放射光センター)
○Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
光パルス圧縮は、可視及び赤外レーザーでは一般的に用いられている手法であって、ピークパワーを増強するとともに、パルス長を波長と同等程度まで短縮することが可能である。一方XFELでは相当する技術が存在せず、このため利用可能な最短パルス長は、波長が4桁程度短いのにもかかわらず、可視レーザーと同等の数フェムト秒程度に留まっている。今回提案するXFELパルスを圧縮する新たな手法*では、長波長のレーザーとの相互作用によって櫛状の電流分布を生成し、櫛の歯に相当する電流ピークにおいて増幅を繰り返すことによって、効果的にXFELパルスを圧縮することが可能である。学会では、本手法の動作原理について解説するとともに、SACLAに適用したときに期待される光源性能をシミュレーションにより求めた結果について報告する。 *T. Tanaka, Phys. Rev. Lett 110, 084801 (2013)