SAOT01  電子加速器1  8月3日 豊田講堂ホール 15:10 - 15:30
SuperKEKBに向けた入射器アップグレード
Linac upgrade for SuperKEKB
 
○夏井 拓也(高エネルギー加速器研究機構)
○Takuya Natsui (KEK)
 
現在,KEKではSuperKEKBに向けた加速器全体のアップグレードが行われている.SuperKEKBではKEKBの40倍という非常に高いルミノシティを達成するために,低エミッタンス化によるダイナミックアパーチャーの減少とビーム寿命の減少が起こる.これに対応して,電子陽電子入射器は高電荷・低エミッタンス化が求められる.電子ビームは電荷5 nC,エミッタンス20 mm-mrad,陽電子ビームは4 nC, 6 mm-mradが求められている.陽電子ビームはダンピングリングによりエミッタンスを下げる計画であるためダンピングリングの建設が進められている.電子ビームはlinacだけで20 mm-mradの低エミッタンスを達成しなければいけないため熱カソードDC gunに変わり,フォトカソードRF gunの開発を進めている.電子ビームは従来の5倍の電荷量である5 nCの高電荷で20 mm-mradの低エミッタンスを達成するために従来とは異なる加速空洞を持ったRF gunを開発している.また,陽電子ビームも従来の4倍の電荷量の4 nCが必要であり,さらにプライマリー電子ビームエネルギーが4 GeVから3.5 GeVに下がるため陽電子の収率を数倍に上げる必要があり,ターゲットおよびフラックスコンセントレータの開発も行われている.当日は開発の現状とコミッショニングについて報告する.