MOOT15  加速器技術(真空)/光源加速器3  8月5日 豊田講堂ホール 15:50 - 16:10
SACLAにおける極紫外線FEL整備計画
Construction project of an EUV-FEL in SACLA
 
○稲垣 隆宏(理研 放射光科学総合研究センター)
○Takahiro Inagaki (RIKEN SPring-8 Center)
 
XFEL施設SACLAのプロトタイプ機であるSCSS試験加速器を、SACLAアンジュレータホールに移設・拡張して、極紫外〜軟X線波長域のFELマシンとする計画を進めている。2005年に建設されたSCSS試験加速器は、電子エネルギー250 MeVにて波長50〜60 nmのFELを生成し、利用実験に供されてきた。7年半の運転を経て、SASE発振の実証、 FEL利用技術のR&D, HHGシード化の実証試験という目的を達成し、本年5月にSCSS試験加速器としての運転を終了した。加速器およびアンジュレータは、来年度を目処にSACLAアンジュレータホール内のBL1ビームライン上流部に移設される。移設した加速器の下流にCバンド加速器1ユニットを追加し、まずは電子エネルギー400 MeVにて波長30〜40 nmの極紫外FEL施設として運転を開始する予定である。将来的には、 約40 mのスペースにCバンド加速器を更に追加することにより、 電子ビームエネルギーを1.4 GeV程度まで増強し波長4ナノメートル以下の軟X線FELを生成することが可能である。本発表では、SCSS試験加速器のこれまでの総括と、移設・拡張による新たな極紫外線FEL計画の概要、および現在の準備状況について報告する。