MOOT05 加速器技術(粒子源/レーザー1) 8月5日 豊田講堂ホール 11:30 - 11:50 |
光蓄積共振器を用いたレーザーコンプトン散乱X線源の開発 |
Development of a compact X-ray source via laser-Compton scattering using an optical super-cavity |
○坂上 和之,鷲尾 方一(早稲田大学),荒木 栄,Aryshev Alexander,浦川 順治,照沼 信浩,福田 将史,三好 敏喜(高エネ研) |
○Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Waseda University), Sakae Araki, Alexander Aryshev, Junji Urakawa, Nobuhiro Terunuma, Masafumi Fukuda, Toshinobu Miyoshi (KEK) |
我々は電子線形加速器と光蓄積共振器を用いたレーザーコンプトン散乱X線源(LUCX)の開発を行っている。LUCXではレーザーパルスとの衝突回数を向上させるために2.8ns間隔のマルチバンチビームを生成している。電子ビームはフォトカソードRF電子銃によって生成し、加速管によって23MeVまで加速する。両空胴ともに定在波型とすることでビームローディング効果によるエネルギー差を0.06%と非常に小さくすることに成功している。 加速された電子ビームは光蓄積共振器内においてレーザーパルスと衝突し、約9keVのX線を生成する。光共振器としては4枚の超低損失ミラーによって構成したBow-tie型の共振器を採用している。周長を約8mと非常に大きくとり、ミラー上のレーザーサイズを拡げ、ミラーへのダメージを回避している。共振器内では入射したレーザー光の約200倍の強度が蓄積されており、また、共振器の周回周波数を電子ビーム繰り返しの2.8nsの定数倍とすることによって効率よく全てのバンチと衝突することが可能となっている。今回このような構成でX線生成を行うことによって、6.4×10^6ph./secのX線強度を達成した。また、SOIピクセルセンサを初めて用いることによって非常に解像度の良いX線像の撮像に成功した。 本講演ではLUCX実験のセットアップの詳細、X線生成試験結果及び今後の展望について報告する。 |