MOOT04  加速器技術(粒子源/レーザー1)  8月5日 豊田講堂ホール 11:10 - 11:30
シミュレーションによる三極管型熱陰極高周波電子銃における電子ビーム特性に関する研究
Numerical Study on Electron Beam Properties in Triode Type Thermionic RF Gun
 
○三島 健太,KONSTANTIN TORGASIN,増田 開,犬飼 元晴,奥村 健祐,NEGM HANI,OMER MAHAMED,吉田 恭平,全 炳俊,紀井 俊輝,大垣 英明(京都大学エネルギー理工学研究所)
○Kenta Mishima, Torgasin Konstantin, Kai Masuda, Motoharu Inukai, Kensuke Okumura, Hani Negm, Mahamed Omer, Kyouhei Yoshida, Heishun Zen, Toshiteru Kii, Hideaki Ohgaki (Inst. of Advanced Energy, Kyoto Univ.)
 
京都大学自由電子レーザー(KU-FEL)では、電子源に熱陰極型高周波電子銃が採用されている。熱陰極は、光陰極に比べて小型で経済的、運転が容易、平均電流が高いという長所がある。しかしながら、高周波電子銃においては陰極から引き出された電子の一部が高周波加速空胴において減速位相に乗って逆加速され陰極に戻ってきてしまい、衝突して陰極を加熱し、その結果マクロパルス長の制限や電子ビームの質の低下を招く。この課題を解決し、生成電子ビームの高輝度・長マクロパルス化を実現するために、我々は三極管型熱陰極高周波電子銃の開発を進めている。これは陰極の前方に同軸共振空洞を追加し、その電界によって電子の放出を制御するというもので、シミュレーションではビーム輝度を低下させることなく逆流電子による陰極への熱入力を80%以上削減できるという結果を得ている。現在KU-FELの高周波電子銃にインストールして三極管型とするための同軸共振空胴を設計・製作している。同軸共振空洞は共振周波数の粗調機構として、銅のスペーサを挿入する事で空洞長を変化させられる様にした。しかし、空洞長を変えると、ビーム光学系が変化する。今回の発表では、電子ビーム特性の銅スペーサの厚さに対する依存性をシミュレーションで調査した結果を報告する。