MOOS16  加速器技術(電磁石)/加速器応用・産業利用2  8月5日 シンポジオン会議室 16:10 - 16:30
いばらき中性子医療研究センターにおける加速器BNCT施設の建設(中間報告)
Construction of Accelerator-based BNCT facility at Ibaraki Neutron Medical Research Center (Interim Report)
 
○吉岡 正和,栗原 俊一,小林 仁,松本 浩,松本 教之(高エネルギー加速器研究機構),熊田 博明,櫻井 英幸,松村 明(筑波大),菅野 東明,柱野 竜臣(三菱重工),中島 宏,中村 剛実(日本原子力研究機構),鬼柳 善明,平賀 富士男(北海道大学),大場 俊幸,岡崎 浩二(日本アドバンストテクノロジー)
○Masakazu Yoshioka, Toshikazu Kurihara, Hitoshi Kobayashi, Hiroshi Matsumoto, Noriyuki Matsumoto (KEK), Hiroaki Kumada, Hideyuki Sakurai, Akira Matsumura (Tsukuba University), Toumei Sugano, Tatsuomi Hashirano (MHI), Hiroshi Nakashima, Takemi Nakamura (JAEA), Yoshiaki Kiyanagi, Fujio Hiraga (HOKKAIDO UNIV), Toshiyuki Ohba, Koji Okazaki (NAT)
 
茨城県はいばらき量子ビーム研究センター南側にいばらき中性子医療研究センター建屋を整備した。その中にビームパワー80kWの大電流陽子リニアック(エネルギー8MeV、平均電流10mA)をベースとするBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)施設を建設している。本計画は筑波大、KEK、北大、JAEAが三菱重工を始め多くの企業の協力を得、また茨城県も含め産官学連携事業である。リニアックは50kVイオン源、3MeV-RFQ、DTLの構成、ビームは加速器室隣の照射室に導かれ、ベリリウム標的により中性子を生成する。中性子エネルギーは6MeV以下で、モデレーター、コリメーターにより0.5eV~10keVの十分な強度の熱外中性子に減速し患者に照射する。本施設技術選択は標的周辺の残留放射線レベルや放射化物生成を少なくし病院併設に相応しい施設を最優先とした。そのトレードオフである標的の高密度熱負荷除去と、標的部のBlisteringについて開発中である。また高デューティーリニアックも技術課題で、加速管の調整は最終段階で、今年度中にクライストロン、変調電源、冷却水システム等も含めた総合試験運転を開始、来年度は本格的ビーム調整運転に移行する。本施設は二次粒子を患者に照射するもので、それに相応しい全体制御システムの構築も重要課題である。なお加速管やクライストロンなどのRF設計においてはJ-PARC入射器のフロントエンド部をベースとし、また同・入射器グループからは多くの貴重な助言も得ている。