MOOS06  加速器技術(診断/制御1)  8月5日 シンポジオン会議室 11:50 - 12:10
Event Timing SystemによるSuperKEKB入射制御
Injection control at SuperKEKB with Event Timing System
 
○梶 裕志,岩崎 昌子(高エネルギー加速器研究機構),岡崎 知博(東日本技術研究所),菊谷 英司(高エネルギー加速器研究機構),草野 史郎,工藤 拓弥(三菱電機システムサービス),小林 鉄也,末武 聖明,飛山 真理,中村 達郎,古川 和郎,宮原 房史(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiroshi Kaji, Masako Iwasaki (KEK), Tomohiro Okazaki (East Japan Institute of Technology Co.), Eiji Kikutani (KEK), Shiro Kusano, Takuya Kudo (Mitsubishi Electric System & Service Co.), Tetsuya Kobayashi, Masaaki Suetake, Makoto Tobiyama, Tatsuro Nakamura, Kazuro Furukawa, Fusashi Miyahara (KEK)
 
SuperKEKBは2015年初頭に運転開始するKEKBの後継プロジェクトである。デザイン・ルミノシティはKEKB到達値の40倍であり、入射システムには「主リングの蓄積電流を2倍」にし「top-up運転」でそれを維持することが求められている。 KEK入射器は、電子・陽電子の主リングの他、PF, PF-ARの全4リングにビームを供給している。複数リング同時のtop-up運転には、入射器パラメータのうち100以上を入射パルス毎(典型的には20ms毎)に変更する必要がある。また主リング入射の際は、直前のカレントモニター情報を基に、電荷の低いRF-Bucketを自動的に選び入射を行う。 SuperKEKB陽電子は新設のダンピングリングを通し入射される。この時、入射管理は長期にわたり、上述の入射Bucket選択はより複雑になる。 我々はMRF社製Event Timingモジュールによる入射スケジュール管理・制御を検討している。このモジュールは8.8ns刻みで最長37秒のタイミングを生成でき(114.24MHz RF clock同期時)、その精度は10ps程度である。また248種類のトリガー(Event)を最大2048個スケジュールすることができる。このモジュールを2つ直列に接続し、上流側モジュールで「入射スケジュール管理」、下流側で20ms毎に「主リングの入射Bucket選択」をさせることで、SuperKEKBの複雑な入射制御を実現する。 本講演では、SuperKEKB入射制御の概要を説明し、Event Timing Systemのデザインとその性能試験の結果を報告する。