MOOS01  加速器技術(診断/制御1)  8月5日 シンポジオン会議室 10:10 - 10:30
SuperKEKBに向けた電子・陽電子入射器Linac用ビーム位置モニターの読み出しシステム開発
Development of Beam Position Monitor Readout System for Electron-Positron Injector Linac towards the SuperKEKB
 
○一宮 亮,諏訪田 剛,佐藤 政則,宮原 房史,古川 和朗(KEK)
○Ryo Ichimiya, Tsuyoshi Suwada, Masanori Sato, Fusashi Miyahara, Kazuro Furukawa (KEK)
 
現在KEKではSuperKEKB建設に向け加速器アップグレードを進めている。L=8×10^35/(cm^2 s)を達成するため、電子及び陽電子エミッタンスをそれぞれ20mm mrad(5nC)、6mm mrad(4nC)にする必要がある。これを実現するためには、ビーム光学設計上、0.1mm以内に加速管をアライメントしなければならない。安定してBeam Based Alignmentを行うためには、ビーム位置モニター(BPM)には要求されるアライメント精度より一桁高い位置分解能が求められる。しかし、これまでのオシロスコープ読み出し方式で得られる位置分解能は約50μmであり、要求を満足出来ない。位置分解能10μm以下を達成するため、狭帯域バンドパスフィルター(BPF)方式を採用し、250MS/s・16bitパイプラインADCを用いた専用読み出し回路を新規に設計開発した。SuperKEKBでは96ns間隔で2バンチ入射を行うため、位置分解能を保ちつつ2バンチを分離して読み出し出来るよう、BPFの構成を最適化した。また、様々な原因で計測位置にオフセットが生じうるため、読み出し回路上に校正パルス発生器を設置した。これはビームの通っていないときにBPMに対して校正信号を与えることにより、チャンネル間ゲイン比のオンライン校正を行う事を可能とする。さらに、オンライン校正を行う十分な時間を確保するため、位置・電荷演算は読み出し回路上のFPGAで行い、高速化を図った。今回の発表では、これら新BPM読み出し回路の開発の現状について報告する。